‘建設業許可’ への投稿記事
良くある相談事例を掲載していきます。
支部の相談員などが皆様から良く相談される事例を紹介していきます。
ご参考にしていただければ幸いです。
支部事務局では、電話やメール等でのご相談には応じられません。
無料相談をご希望の方は、毎月第1第4水曜日13時から15時30分までに荒川区役所3階区民相談所に足をお運びください。
業務のご依頼の場合は、電話やメールでも、お近く又は専門の行政書士をご紹介いたします。
手続きの流れ及び取得にかかる期間
Q 許可がでるまでの期間とそれまでの手続きについて教えて下さい
A 東京都の場合、許可申請書類の提出先は、東京都都市整備局市街地建築部建設業課です。初めての方の場合、許可までの流れは以下のようになります。
相談コーナー(事前相談)→申請書提出(窓口審査)→手数料納付等→受付→審査→許可→通知書送付
建設業許可申請の処理期間は、知事許可で通常、申請書受付後30日程度、大臣許可で通常、申請書受付後3か月程度です。
手数料等の費用は、下記の通りです。
都道府県知事の許可
- 新規、許可換え新規、般・特新規の許可: 手数料 9万円(現金で納入)
- 業種追加又は更新: 手数料 5万円(現金で納入)
国土交通大臣の許可
- 新規、許可換え新規、般・特新規の許可: 登録免許税 15万円(浦和税務署宛に銀行、郵便局等を通じて納入し、納付書を正本に貼付)
業種追加又は更新: 手数料 5万円(収入印紙を正本に貼付)
行政書士に建設業許可を頼むメリット
Q 行政書士に建設業許可を頼むメリットはあるのでしょうか?自分でやった方が良いのではないかという気もしますが…
A では、行政書士に建設業許可を頼むメリットはどこにあるのでしょうか。
- 建設業許可取得のための面倒な書類の準備と作成を、多忙な経営者に代わって行います。
- 許可に必要な要件をよく理解しており、要件を満たすことを証明する資料として何が必要なのかを把握しているのは行政書士です。個々のケースに応じて適切にアドバイスします。
- 「どんなときに、どんな書類を、いつまでに提出するのか」一番よく知っているのは行政書士です。各種変更の届出や更新手続きも、行政書士に任せておけば安心です。
- 業界の動向や法律の改正、罰則について、最新の情報を、かみ砕いて提供します。
- 会社設立や事業承継、外国人の雇用等、経営全般についてもアドバイスします。
数ある行政書士の業務の中でも、「許認可の取得」、ことに「建設業許可の取得」は、今も昔も、行政書士の代表的な業務の一つです。東京都の建設業許可事業者46,245社(全国許可業者数507,528の9.1%。平成20年3月現在。国土交通省調べ)を中心的なお客様として、建設業関連業務専門で仕事をしている行政書士も都内にはたくさんいます。
建設業許可の新規取得を行政書士に頼んだ場合、行政書士は、業者さんの事務所に足を運び、インタビューを行い、業種の選定や許可の区分についてアドバイスし、許可申請に必要となる書類を調査し、過去数年分の(場合によっては膨大な)証拠書類を揃え、役所に申請に出向きます。それだけでもかなり大変な作業ではあるのですが、建設業許可の新規取得は、手間ひま惜しまなければ、ご自身でもできないことはありません。
しかし、行政書士の本領発揮は、実は許可を取得してからなのです。建設業許可をいったん取得したら、次の更新は5年後です。が、許可の取得は、絶え間ない書類との格闘が始まることを意味します。商号や営業所の名称・所在地、資本金額や役員の就任・辞(退)任・氏名変更等々、各種変更が生じるたびに、決められた期間内に変更届を提出しなければなりませんし、事業年度ごとに決算報告書を提出することも義務付けられています。入札に参加したい場合は、入札資格審査申請や、経営事項審査申請のための書類も作成しなければなりません。
「どんなときに、どんな書類を、いつまでに提出するのか」を一番よく心得ているのは、プロである行政書士です。面倒な書類の準備と提出作業を、行政書士は業者さんに代わって行います。
さらに、現在の建設業界の動向、法律改正や罰則の情報を常に把握してアドバイスを行うのも、行政書士の仕事の一つ。また、産廃業や会社設立等、関連する業務について許可の取得や手続きが必要な場合にも、行政書士がお手伝いします。税金や社会保険の相談は行政書士の業務ではありませんが、継続して業務を行っている行政書士は、他の士業者とのネットワークを持っているものです。一度相談してみてください。
新しい行政書士を探すときは、「建設業許可」を主要な業務として行っているかどうか、確認してください。依頼した業務にかかる期間と費用を(事前にある程度の打ち合わせが必要な場合もありますが)、明快に提示できるかどうかも、選択の基準になります。
なお、「行政書士倫理」には「秘密保持の義務」「不当誘致等の禁止」「違法行為の助長等の禁止」「報酬の提示」等が定められています。無料相談会や電話による無料相談で秘密が漏れたり、いきなり料金を請求されたりすることはありませんので、安心してご相談ください。
許可後の事務について
Q 許可後に何かしなければならないことはありますか?
A さて、無事に許可が取れたとして、そのまま取りっぱなしというわけにはいきません。事業年度終了ごとに決算変更届を提出しなければなりませんし、許可の内容に変更が生じた場合は、変更届の提出が義務付けられています。許可の有効期間は5年なので、5年ごとに更新手続きも必要になります。届出を怠った場合には、更新の申請ができなかったり、また、罰則がありますので、ご注意ください。
その他、公共工事の入札を行いたい場合は、経営事項審査の申請や入札参加資格審査申請が必要になります。
建設業許可を受けるための要件
Q 建設業許可を受けるための要件は何ですか?
A 法人・個人のいずれであっても、建設業許可は申請できますが、申請にあたっては、下記の5つの要件(建設業を受けるための要件を参照)を満たしていなければなりません
- 経営業務の管理責任者が(常勤して)いること
- 専任技術者が(専任して)いること
- 請負契約に関して誠実性のあること
- 財産的基礎又は金銭的信用のあること
- 欠格要件に該当しないこと
1. 経営業務の管理責任者について
- 建設業の経営業務について総合的に管理し、執行した経験を有する者をいいます。
- 許可を受けようとする建設業について5年以上、許可を受けようとする建設業以外については7年以上の経験を必要とします。
- 具体的には、建設業者(許可業者)の取締役の経験、個人事業主の経験を言います。
2. 専任技術者について
専任技術者になるためには、次のいずれかに該当していなければなりません。
- 実務経験10年以上
- 学歴+実務経験5年(大学等の学歴の場合3年)以上
- 国家資格者
常勤・専任について:営業所には「経営業務の管理責任者」が常勤していなければなりません。常勤者とは、本社・本店等において休日その他勤務を要しない日を除き、一定の計画のもとに毎日所定の時間中、その職務に従事している者をいいます。また、「専任技術者」は営業所に専任しなければなりませんが、事業主体と継続的雇用関係にあり、休日その他勤務を要しない日を除き、通常の勤務時間中その営業所に勤務していることをいいます。いずれの場合も営業所まで通勤が可能なこと、そして建築士事務所の管理建築士や宅建業の専任の取引主任者などと兼務していないことなども要注意です。
3. 誠実性について
- 「不正な行為」「不誠実な行為」を行うおそれのないこと。
- 「不正な行為」とは、請負契約の締結又は履行の際の詐欺、脅迫等、法律に違反する行為。
- 「不誠実な行為」とは、工事内容、工期等請負契約に違反する行為。
暴力団の構成員は、この要件に反しますから、許可を受けられません。
4. 財産的基礎等について
請負契約を履行するに足りる財産的基礎又は金銭的信用を有していることが必要となり、「一般」と「特定」で、要件が異なります。
「一般」の場合、以下のいずれかの要件に該当すること。
- 自己資本500万円以上
- 資金調達能力500万円以上
- 直前5年間許可を受けて継続して営業した実績のあること
特定建設業の財産的基礎は、直前の決算において、以下の4つ全てに該当することが必要です。
- 欠損比率20%以下
- 流動比率75%以上
- 資本金額2000万円以上
- 自己資本4000万円以上
5. 欠格要件に該当しないこと
次の(1)(2)該当するものは、許可は受けられません。これを欠格要件といいます。
(1)許可申請書又は添付書類の中に、虚偽の記載や重要な事実の記載が欠けているとき
(2)法人の役員、個人にあってはその本人、その他令第3条使用人が次の内の一に該当するとき。
- 成年被後見人、被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
- 不正な手段で許可を受けたことにより、許可を取り消されて5年を経過しない者
- 許可の取り消しを免れるために廃業の届出をしてから5年を経過しない者
- 営業停止期間中の建設業者の役員や令第3条使用人
- 禁錮刑以上の刑に処せられ、その刑の執行が終わり、その刑を受けることがなくなって5年を経過しない者
- 法律(建設業法、建築基準法、都市計画法、労働基準法、暴力団対策法、刑法の傷害罪、暴行罪、脅迫罪など)で罰金刑に処せられ、刑の執行を終わり、刑を受けなくなってから5年未経過の者
★許可申請手数料等は、大臣許可/知事許可その他の条件によってこれも異なり、知事許可での新規申請の場合は9万円、大臣許可の新規申請の場合は15万円です。行政書士に手続きを依頼した場合は、別途行政書士報酬がかかります。行政書士報酬については、日本行政書士会連合会のホームページにある報酬額統計を参考にしてください。(事業規模、申請する業種の数、専任技術者の資格等により加算がある場合もあります。)
★建設業許可申請の窓口は、東京都の場合、都庁第二本庁舎3階南側、東京都都市整備局市街地建築部建設業課になります。建設業許可取得までの期間は、知事許可で通常、申請書受付後30日程度、大臣許可で通常、申請書受付後3か月程度です。
建設業の28業種と建設業許可申請のパターン
Q 建設業許可の種類にはどのようなものがありますか?
A 建設業許可を取得するためには、まず28種類の業種の中から「どの業種で許可を取るか」を決め、さらに24パターンの中から「どの許可申請に該当するか」を考えなくてはなりません。
建設業の28業種から、許可を取得する業種を選ぶ
建設業許可申請が必要な業種は、以下の28業種になり、営業する業種ごとに国土交通大臣又は都道府県知事の許可取得する必要があります。同時に2つ以上の業種の許可を受けることも可能ですし、すでに許可を受けている業種に加えて別の業種の許可を受けることも可能です。
建設業の種類
一式工事業:土木工事業、建築工事業、
専門工事業:大工工事業、左官工事業、とび・土工工事業、石工事業、屋根工事業、電気工事業、管工事業、タイル・れんが・ブロック工事業、鋼構造物工事業、鉄筋工事業、ほ装工事業、しゅんせつ工事業、板金工事業、ガラス工事業、塗装工事業、防水工事業、内装仕上工事業、機械器具設置工事業、熱絶縁工事業、電気通信工事業、造園工事業、さく井工事業、建具工事業、水道施設工事業、消防施設工事業、清掃施設工事業
どの建設業許可申請パターンに該当するかを考える
建設業許可申請は、1)大臣許可か知事許可か、2)一般建設業許可か特定建設業許可か、3)法人か個人か、4)新規の取得か、更新か、業種追加か、それぞれの組み合わせによって、24パターンに分けられます。
1)大臣許可か知事許可か
二つ以上の都道府県に営業所がある場合、国土交通大臣の許可が、一つの都道府県に営業所がある場合は、都道府県知事の許可が必要となります。
なお、「知事許可」であっても、建設工事自体は営業所の所在地に関わりなく、他都道府県でも行うことができます。
2)一般建設業許可か特定建設業許可か
建設業の許可は、下請契約の規模等により「一般建設業」と「特定建設業」の別に区分して行います。
この区分は、発注者から直接請け負う工事1件につき、3,000万円(建築工事業の場合は4,500万円)以上となる下請契約を締結するか否かで区分されます。工事を下請けに出さない場合、上記金額未満で下請けに出す場合、発注者から直接請け負わない場合には、「一般」建設業の許可となります。
3)法人か個人か
建設業許可は、「法人」、「個人」を問わず取得できます。ただし、個人から法人に移行した場合、いったん廃業届を提出し、新たに法人として建設業許可を取り直すことになります。
4)新規の取得か、更新か、業種追加か
「新規」許可に該当するのは、以下の場合です。
- 大臣許可も知事許可も受けておらず、新たに建設業許可申請を行う場合
- 他府県知事許可から東京都知事許可へ、東京都知事許可から国土交通大臣許可へ、国土交通大臣許可から東京都知事許可へ許可を切り換える場合(許可換え新規)
- 既に「一般」許可を得ている業種とは別の業種で「特定」許可を申請する場合、または「特定」許可を得ている業種とは別の業種で「一般」許可を申請する場合(般・特新規)
「更新」とは、建設業許可の取得後5年を経過して、許可を更新する場合に必要となる申請です。
「業種追加」とは、「一般建設業」を受けている者が「他の一般建設業」を申請する場合、及び「特定建設業」を受けている者が「他の特定建設業」を申請する場合に必要となる申請です。
「般・特新規」、「更新」、「業種追加」については、組合せて申請することも可能です。
建設業許可を取るメリット
Q 建設業許可を取るメリットは何ですか?
A 建設業許可を取得するメリットは、大まかに言えば、
- これまで受注できなかった工事を受注できるようになる。
- 社会的な信用度が高まる。
という2点です。具体的には500万円以上(建築一式工事は1,500万円以上)の工事を受注できるようになりますし、役所からの工事受注が可能になる(建設業許可の取得に加えて経営事項審査申請及び入札参加資格審査申請が必要)他、建設業許可を取得していることが、金融機関の融資や元請業者さんからの工事受注につながる場合もあります。
忘れてはならないのが、お客様の目です。企業に対する消費者の意識は、これまでにないほど高まっています。建設業許可取得後は、各種申請の費用や手間はかかりますが、毎年の決算や情報公開を通じて、法令の順守と健全な経営を対外的にアピールできます。建設業許可の取得を機に、不況に負けない強い企業を目指しましょう。
建設業許可が必要になるのは?
Q 近年、コンプライアンス意識の高まりから、「ある日親会社や元請会社に『今後は建設業許可業者にしか仕事を発注しません』と言われた」という話を聞くことが多くなっています。建設業許可って、どうやって取るのでしょうか?
A 個人(一人親方を含む)も、法人も、建設業許可を取得する場合には「建設業法」という法律の定めに従って許可の申請を行います。軽微な工事しか行わない場合を除いて、建設業を営もうとする者は、建設業の許可を受ける必要があります。
軽微な建設工事(許可を受けなくてもできる工事)とは?
建築一式工事以外の建設工事 | 1件の請負代金が500万円*未満の工事(消費税を含んだ金額) |
建築一式工事で右のいずれかに該当するもの | (1) 1件の請負代金が1,500万円*未満の工事(消費税を含んだ金額) (2) 請負代金の額にかかわらず、木造住宅で延べ面積が150㎡未満の工事(主要構造部が木造で、延面積の1/2以上を居住の用に供するもの。) |
*1つの工事を2以上の契約に分割して請け負うときは、各契約の請負代金の額の合計額となります。
*注文者が材料を提供する場合は、市場価格又は市場価格及び運送費を当該請負契約の請負代金の額に加えたものが請負代金の額となります。
許可を申請するにあたっては、まず、28業種の建設業の業種から、どの業種で許可を受けるかを選択し、さらに、営業所の所在地や数、(工事)請負金額、特定建設業に該当するか否か、法人か個人か、新規の取得か、更新か、業種追加かによって、どの許可区分で申請を行うかを決める必要があります。